ジャガー・スポーツXJR-15は噂ほど悪くない

ジャガー

ジャガースポーツXJR-15のストーリーは少し複雑だ。1988年にル・マンを制したジャガーXJR-9レーシングカーをベースに、その記念モデルとして企画されたこのスーパーカーは、実はレーシングチームを運営していたトム・ウォーキンショー・レーシングの子会社、ジャガー・スポーツによってデザインされたものである。

当時XJ220を開発していたジャガーの機嫌を取るため、最初の17台はワンメイクのレースシリーズ用に作られ、少々扱いにくいという評判を得た。ジェレミー・クラークソンが「世界で最もハンドリングが悪い車」と評したのは有名な話だ。

しかし、ヘンリー・キャッチポールによれば、その評判に値しないかもしれないという。というのも、ハンドリングの悪さの原因はブリヂストンタイヤにあり、ピレリのF1タイヤよりも早く脱落してしまうため、かなり扱いにくいクルマになってしまったのだそうだ。

XJR-15は、最高出力450ps(335kW/456PS)、最大トルク420lb-ft(569Nm)の自然吸気V12エンジンを搭載していた。現代の基準からすると、この数値はそれほど大きなものではないかもしれないが、車重はわずか1,050kgで、ル・マンの優勝車から生まれたのだから、当時のスーパーカーと呼ぶにふさわしいものであった。

ロードゴーイングバージョンでは、ストレートカットの6速マニュアルからシンクロメッシュの5速マニュアルに変更されるなど、快適性には若干の譲歩が見られるものの、快適とは言い難い。また、カーボンがむき出しになったインテリアは、決してラグジュアリーとはいえない。しかし、本当にその評判にふさわしいものだったのだろうか。

「世界でいちばんハンドリングが悪いクルマ?私はこれよりはるかに悪い車に乗ってきました」と、土砂降りの雨の中、Catchpoleは言う。「ステアリングのフィーリングは、おそらくこのクルマの最大の資産です。

しかし、彼は、このクルマを所有することは、トラを所有するようなものだと言う。どんなに長い付き合いでも、その野生的な性質から、決して信用することはできない。

【参照】https://www.carscoops.com/

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